珈琲は生鮮食料品です。美味しく飲んでいただくには、2週間位までにお楽しみください。
まず、お届けしました珈琲豆は、密封容器に移し替えて冷暗所で保管してください。
(2週間位で飲み切るのなら冷蔵庫、それ以上なら冷凍庫で保管してください。)
それでは珈琲を点ててみましょう。
ここではペーパードリップの場合でお話します。
- 珈琲の味は豆の量と粗さ、それからお湯加減の3つのバランスで決まります!
- 文中に登場するペーパーとは、豆を入れるペーパーフィルターのこと。
カリタとは、ペーパーフィルターをセットする茶色の陶器のことです
まず、豆を計ります
量は18~20gがベスト。多すぎても少なすぎてもいけません
豆をミルで挽きます。
粗さは概ね1mm角くらい(中挽き~粗挽き)で挽いてみてください。挽きが細かすぎると、抽出した珈琲が濃くなってしまいますし、粗すぎるとアメリカンになります。
ご自身のお好みもありますので。何度か挑戦して一番美味しい粗さをつかんでください。
カップを湯煎します
カップを湯煎して、あらかじめ作ったペーパーに豆を入れます。その時、カリタも温めておいてください。
特に陶器のカリタは冷たいままだと、お湯の温度を下げてしまいますのでご注意ください。
ペーパーをセット
ペーパーに豆を入れたら、暖かくしたカリタを取り出し、そこにペーパーをセットします。
豆は面が平たくなるように敷いてください。
どこかが盛り上がっていると、お湯を入れたときに低いところにお湯が流れてしまい泡切れの原因となります。
カップにカリタをセットします。
湯煎したお湯を捨て、カップにカリタをセットします。
お湯の温度は90℃がベストです。
沸騰したお湯が入ってるやかんから、ポットに移したときの温度がちょうど90℃くらいになります。さて、いよいよお湯を投入します。
まずは、蒸らします
豆の真ん中にお湯を投入して、だんだんと外側に円を描くようにお湯を投入します。このとき、お湯は入れすぎないように、できるかぎり細く入れてください。
一度湿らしたところは2度とお湯を入れないように、一番外側までお湯を入れたら、投入をやめます。このとき、一度カリタをあげてみましょう。カップにお湯が落ちていなければ合格です。もし落ちていたら、お湯が太い証拠です。
このとき、お湯が落ちてしまうと珈琲の”甘み”に影響するばかりでなく、せっかく抽出した珈琲が水臭くなってしまいます。
ちょうど写真が豆の膨れあがった状態です。
膨れきらないうちにお湯を投入するのはNGです
6でお湯を投入したら見る見る豆が膨れてくるでしょう。膨れきらないうちにお湯を投入するのはNGです。
膨れきったところを見定めて、第2投を投入します。このとき、膨れたあと、そのまま待つと豆が落ちてしまいます。
蒸らしすぎは珈琲のイヤな苦みを助長します。また”甘み”も消し去ってしまいます。いかにこの蒸らしが大切かを念頭におきながら蒸らしましょう。第1投を投入して、まったく膨れない珈琲は種類にもよりますが、概ねひからびた古い豆です。
こういった豆は論外ですので、いつも新鮮な豆を使いましょう。
豆の真ん中から外側に円を描くようにして細い線で投入
さて、第2投を投入したわけですが、これも第1投と同じく、豆の真ん中から外側に円を描くようにして細い線で投入していきます。
カップの大きさを見ながら、豆に吸われる水分を考慮して、多すぎず、少なすぎず、お湯を入れましょう。泡を一杯たてるように注ぐのがコツです。
うまく入れることができれば、この第2投でちょうど頃合いの珈琲が入ります。第2投を投入し終わったところで、一度カップをあげてどのくらい珈琲が入ったか確認してみましょう。
そのまま待っていても珈琲が入りそうにないときは、すかさず第3投を投入します。
もちろん第3投も真ん中から外側にかけて、です。また、第3投はお湯を入れすぎないのがポイントです。
入れすぎは泡切れと水臭さのもとです。
真ん中からだんだんと外側にかけて円を描くようにお湯を投入します
写真のように、真ん中からだんだんと外側にかけて円を描くようにお湯を投入します。このとき、お湯の量が多いと、「お湯が飽和」して泡切れの状態となります。泡切れすると、お湯の重みで、十分にお湯が豆にあたらないうちにカップに落ちてしまい、できあがった珈琲が水臭くなってしまいます。注意!です。
豆の状態に注目してください
写真の状態でカリタをあげるのがベストです。このままカリタをあげずにいると、豆が下まで落ちきって、一緒にイヤな苦みまで珈琲に落ちてしまいます。豆のイヤな苦みはペーパーに封じ込めて、美味しい部分だけを抽出するのが目的です。
蒸らしのタイミングやお湯の細さと量をうまくコントロールするのは至難の技
慣れてくれば第2投を投入したあと、10の豆の状態でカリタをあげれば、どの程度カップに注がれたか確認することなく、この写真の通り、頃合いに珈琲が入ります。その日の豆の状態をよく見極めながら、一番美味しく入るように、蒸らしのタイミングやお湯の細さと量をうまくコントロールするのは至難の技です。
底に溜まったのが珈琲のイヤな苦みです
この苦みはお湯の投入中、豆のいたるところに攪拌されていますが、カップには先に美味しい部分が抽出されますので、10の状態をよく見定めてカリタを引き上げるのがコツです。タイミングを見誤ると苦い部分が落ちてしまうので、ここも注意!です。
美味しい苦みとイヤな苦みは根本的に違うので、混同しないようにしましょう。-
豆の真ん中が凹型になるよう点てるのがコツ
あげたカリタの中の豆がこの状態になっていたら成功です。豆の真ん中が凹型になるよう点てるのがコツです。
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ハイ!できあがり
きっと美味しいですよ。でも慣れないと、本当に美味しい珈琲を毎回点てるのは至難のワザです。文中にも何度か登場しましたが、珈琲の”甘み”は砂糖の甘みではありません。なんとも言えない、舌の横をくすぐる、歯が浮くような爽快な”甘み”です。何度も何度も挑戦して是非”甘みいっぱいの美味しい珈琲をあなたのモノにしてください。